会社員が資格を取ることは本当に意味ないのか〜名称独占資格が仕事で役に立って副収入まで得られた話〜
※時間がない方は太字のところだけ読んでください
「会社員が資格を取得しても意味がない」という話を聞くことがある。
私の会社には資格手当のようなものはない。
資格を持っているから評価されるとか、昇進しやすくなるとかいうこともない。
資格取得のための学習を通して得た知識は実務で役に立つかもしれないし、就職や転職のときであれば評価されることもあるかもしれない。
また、一般的に士業で独立する場合には資格が必須だし、会社員でも業務を行う上で法律上資格が必要になる場合もある。
では、それら以外で「資格そのもの」が役に立つことはないのだろうか?
役に立たないことも多いと思うが、少なくとも私の場合は資格が役に立ったことがある。
しかもその資格は決して難関資格ではなく、何かの独占業務ができるようなものでもない。(いわゆる名称独占資格)
詳細までは書けないので漠然とした話になってしまうが、ひとつの事例として私の経験を書いてみたい。
(1) やりたいことがあった
私は"ある業務"の担当者になりたいと思っていた。
考えようによっては雑用とも言える事務仕事が中心なので、私の部門ではそれを専門にする人を置くのではなく、別の仕事をしながら"ある業務"を兼務するという形になっていた。
一方、事業を進める上では避けて通れない重要な内容で、場合によっては社員の利害にも影響を与えることになるので、大抵はある程度の立場の人か、または経験や知識は豊富だが時間に余裕がある年配の人に担当させるのが常だった。
何も理由がなければ、当時の私がその業務の担当者になるということは起こりがたいことだった。
ちなみに私がなぜ上記の"ある業務"をやりたかったのか簡単に書くと、主に下の3つの理由からだった。
①当時、私は自分の携わるプロジェクトの方針に納得しておらず、方向性を変えたいと思っていたが、"ある業務"は私がやりたい戦略のキーとなる要素に関わる内容だった。
②"ある業務"をやることで、自分の経歴上プラスになることが予想できた。
③"ある業務"をやることで、自分が副収入を得られやすい状況を作れると想定できた。(しかも会社から文句を言われることもない)
(2) 資格取得の目的
元々、私は全く資格に興味がなかった。
就職したときに持っていた資格は自動車免許だけだった。
就職後に何気なくいろいろ調べていたら、"ある業務"に関わる資格があることを知った。
世の中にはその分野の専門家もいるが、私の部門で"ある業務"を担当することは半分雑用と考えられているので、それのためにわざわざ資格を取る人は少なかった。
難関資格ではないので誰からも「すごい」とは言われないだろうが、その分野の資格を持っている人がほとんどいないので、私だけが資格を持っていれば一応目立つかもしれない。
就職・転職の面接で会社に採用するかしないかの判断をされるのであれば資格の価値を厳しく評価されるとしても、"同じ会社の中で誰に仕事を割り振るか"の判断であればもっと甘くなるはずだ。
「わざわざ資格を取ってるみたいだからやる気はあるだろうし、あいつにやらせてみてもいいか。ダメだったら上司にフォローさせるか、担当を変えればいいし」と思ってもらえるかもしれない。
仮にいつまでも"ある業務"をできなかったとしても、そのために勉強したことがいつか何かの役には立つだろう。
そのように考え、資格を取ることにしたのであった。
(3) 資格取得後
元々"ある業務"を担当している人がいるので、資格を取得したからといって、即座にその人を外して私にやらせようとはならなかった。
だからといって特に気にせず、気長に過ごした。
ただ、いろいろとその分野についての意見は言うようにしていた。
あるとき、部門の組織変更があり、元々の担当者がいなくなった。
組織が分裂したので、少ない人数の中から"ある業務"の担当者を決めなくてはならなくなった。
上司が担当する可能性もあったのだが、上に書いたように雑用的な要素も多いので、おそらく自分ではやりたくなかったのだろう。
それでも通常ならもっと年配の他の人に任せるところだが、普段からその分野に興味がありそうで、役に立つかはともかく一応関連する資格も持っている私が"ある業務"を担当することになった。
上記(1)で書いた"ある業務"をやることで達成したい3つの目的のうち、今までに①(プロジェクトの方向性変更)、②(経歴としてプラスになる要素を獲得)ともある程度実現できてきたと思うし、③(副収入)については200万円程度の副収入を得られた。
まだまだ満足できる内容ではないが、望んでいる方向に少しずつ近づいているように思う。
いろいろと偶然もあったが、遡って考えると資格を持っていたことがその偶然を味方につける一つのキッカケとなったことは間違いない。
(4) 資格が役に立たないとき
「会社員が資格を取っても意味がない」という話については、正しいとも間違っているとも思う。
上記の話では期待していた以上に資格が役に立った。
たが資格を取ったのに思ったほど役に立たなかったという場合も多いだろう。
実は私ももう一つ資格を取ったことがあるが、そちらは今のところ全く役に立っていない。
その資格も一応自分なりの目的があって取得したものだったのだが、小さな目的だったので結局資格と関係なく達成できてしまっているのだ。
資格に限らず何か努力したことが将来役に立つか立たないかということについては、どうしても確率的な要素が入ってきてしまう。
それは元々分かっているので、仮に役に立たなくても特に気にしない。
まだいつか役立つのかもしれないし、一生役に立たなかったとしても勉強になったのだからそれでいいと思っている。