この世で一番大切な「カネ」の話
だいぶ昔に読んだ本でとても面白いと思ったものがある。
西原理恵子さんの「この世で一番大切なカネの話」という本だ。
西原理恵子さんは漫画家だが、この本は漫画ではなく、自身の経験を綴った自伝的小説だ。
読んだのは何年も前なので細かい部分は忘れてしまったが、この本は本当にお勧めしたい。
この本を読んだことで自分の甘い考えが少し変わった気がする。
特に、下記の言葉が気に入っていた。
・自分探しの迷路は、「カネ」という視点を持てばぶっちぎれる
・自分で「カネ」を稼ぐということは、自由を手に入れることだった
将来は絵を描きたい、音楽をやりたい、と夢見ている人がいるとして、どうしたらその夢がかなうか、と考えるのではなく、どうしたらそれで稼げるか、という考え方をするべきだと書いている。
つまり「金にならなくてもいいから続けたい」というプライドだけでは結局続けられないが、金を稼ぐために自分をどう差別化するべきか、ということを考えれば、夢に近づける、ということだ。
私は昔、自分のやりたいことをやれてさえいれば収入なんてどうでも良い、と思っていた。
だが、実際には稼ぐ能力(私の場合は会社に稼がせる能力)を磨かなければ、やりたいことを続けることもできないのだ。
また、自分で金を稼ぐことで、誰かに依存した生活から抜け出せる、経済的な自立が自由を作る、ということも言っている。
自立というと、まれに一人暮らしできる家事能力があることを指して言っている人がいる。
しかし、一人で生きていくために経済力と家事能力のどちらが必須かといえば、間違いなく経済力の方だろう。
親元を離れてひとり暮らししていても、仕送りがないと生活できないようでは自立しているとは言えない。
仕送りを貰っていなくても、彼氏彼女や配偶者にお金をもらわないと生活できないようでは自立とは言えない。
ある特定の人がいなくなっただけで生活ができなくなるようでは、自立とは呼べない。
そして、原始時代や文明の未発達な地域なら別だが、大抵の場合、お金があれば家事なんかできなくても全然生きていける。
また、家事は覚えたらやればいいだけなのである程度はすぐにできるようになるが、お金を稼ぐことについては自分の価値を認めてくれてお金を払ってくれる人がいなければ稼ぎようがない。
それだけお金を稼ぐことは貴重なことなのだ。
ところで、働いて稼いでいるにしても、自立にはレベルがあると思う。
レベル1 : 仕事はしているが、自分の収入だけでは生活できない
レベル2 : 生活するに十分な収入はあるが、自分の会社や特定の顧客がいなくなったら生活できない
レベル3 : 十分な収入があり、自分の会社や特定の顧客がいなくなっても、いくらでも代わりがいる
私はおそらくレベル2になると思うので、これからはレベル3を目指したい。
お金があれば「嫌なやつに頭を下げなくて済む」。
これは西原理恵子さんも言っていた。
お金では買えないものがあるのは確かだが、お金があれば、好きなことを続けられるのだ。
金儲けなんて汚い、とか言っている場合ではない。